市議団ニュース
2018年12月26日(水)  [市議団ニュース]

東大阪市議会 平成30年 第3回定例会 12月25日 最終日①

日本共産党東大阪市会議員団を代表しての 嶋倉久美子 市議 の本会議 「議案に対する討論」

日本共産党東大阪市会議員団を代表し、今議会に提案されました議案に対する討論を行います。

1、議案に対する態度
◆議案第28号平成30年度東大阪市病院事業債管理特別会計補正予算(第1回)
東大阪医療センター貸付金3億7千130万円については医療センター独自で直接民間資金による長期貸し付け及び債権の発行が出来ないため、市の特別会計にて長期借り入れを行い、病院へ貸し付け手術支援ロボット購入経費にあてるものです。
市民の命と健康を守るために常に最新の医療技術を取り入れることには賛成しますが、その際にはその効果と中長期の財政運営上の見通しと評価もていねいに行うことが必要です。
手術ロボット導入において、診療報酬が加算される前立腺の手術では、4万5千円余りの黒字、従来手術と診療報酬が変わらない胃がんでは38万円余りの赤字と首相官邸の会議の資料にも出ています。これまで前立腺と腎悪性腫瘍については保険適用があり、最近になってようやく胃がんや子宮がんなどについても新たに保険適用がされることになり、今後は保険適用になった病気でのロボット手術が広がることは必至です。医療センターの平成29年度収支決算でも3億2,800万円余りの赤字が出されている上に健康部の資料で出された採算のシュミレーションでは、6年間でわずか487万円の黒字と出ていますが、赤字になる手術が増えていくことが考慮されていないもので、ますます赤字が増えることが懸念されます。
ロボット手術が出来ないことから患者さんが他の医療機関に行っていると説明がありましたが、その根拠は全くないということも明らかになりました。
なお、手術ロボットダヴィンチはすでに納品されていることが12月19日に判明いたしました。購入することにかかる直接議案ではないものの、議案質疑の中でそのことの答弁と説明があったならば、当然質疑の視点や内容も変わっていた可能性があり、議会議論の前提を崩すことにもつながる重大問題です。今後、かかることのないよう、議会に対して十分な説明と答弁を行うべきことを申し添えたいと思います。

以上の点からみても中長期の財政運営を見通すことが困難であり反対せざるを得ません。

◆議案第25号東大阪市職員給与条例の一部を改正する条例制定の件
部長級以上の幹部職員を選ぶのに、ふさわしい幹部がいないことから導入するとしていますが、50代前半の職員がここ数年で半減しているとのことは、そもそも人件費総量抑制のもとで、職員採用を計画的にしてこなかったことと縁故採用などを過去に行ってきたことに起因するものです。
また、この年代がいないことも予めわかっているのに、必要な幹部職員の養成の努力がなされていなかったことが問題だと指摘するものです。
ここ数年の幹部職員を登用するにあたり、やむを得ない事情があることは認識しているので条例改正を認めますが、次の点を考慮すべきであると考えます。
部長職以上の幹部職員が、正規職員の7割~8割程度の待遇になってしまいます。これが続くと、若い職員の意欲をそぐことに繋がることを危惧するものです。
よって、この条例改正が可決されても、数年間の苦肉の策として時限的かつ慎重に運用するよう強く求めるものです。

◆議案第26号平成30年度東大阪市一般会計補正予算(第4回)については賛成するものですが、数点指摘します。
①公共施設再編整備事業(文化複合施設整備にかかるアドバイザリー業務委託料)
文化複合施設整備基本計画の中で、「四条図書館は休館も含めて検討する必要があります」としながら、工事期間中のあり方について、市としての考え方が十分に示されておらず、次の指定管理者を選定する際の要求水準書で休館中のサービスのあり方を求めるとしか示されませんでした。
文化複合施設の工事施工期間1年以上の間、市民サービスの切り捨てにならないよう地域住民に対する説明とともに、仮設の図書館など検討すべきです。市としての方針や議論が全く見えない状態ですすめられていることは問題です。

②「家庭ごみ収集運搬業務委託」について
平成18年度 包括外部監査報告書で「ごみ収集主体として、公と民のメリット・デメリットを以下の観点から十分に検討する必要がある。」としています。
一つは「昨今のごみ減量にともない、効率性を向上するためには、公と民がお互いに競争し、切磋琢磨してサービスの質の向上と効率性の増進を常に意識するように配慮する。」
二つは「民間だけでごみ収集の実施するのであれば、市民生活に大きく影響するストライキ等によるサービス提供の一時中止や、いざと言うときの公によるごみ収集、管理のためのノウハウの喪失、欠如という将来リスクが内在することへの配慮が必要となる。」と指摘されています。
また、震災などの大規模な災害では、初動期、応急対応期、復旧・復興期とその状況により環境部として災害ごみ収集などの必要な対応が求められます。
市直営体制を減らす中で、震災などの大規模災害への対応や不足の事態に対応する危機管理体制を環境部としてどう構築していくのか、そのための対応を体制の上で担保するためにも、市直営体制の維持と委託事業者については管理・監督などを環境部として責任を持って行うことを強く指摘しておきます。

◆議案第30号指定管理者の指定の件
東大阪市立男女共同参画センターの指定管理者に一般財団法人大阪府男女共同参画推進財団に指定するものです。
活動内容などから議案には賛成するものですが、男女共同参画センターはDVや女性相談など、本来行政が行う業務です。
しかし、この間、公募に当たっては2度連続して同財団1者だけという結果からみても相談事業などを担える団体は多くないと言うことが議論の中で明らかになりました。こうした点を踏まえるならば行政の仕事を何でも企業や団体にまかせるという指定管理自体、公募で決めるということは見直すべきです。
当該団体としての役割を鑑みて次の選定に当たっては、直営、非公募も含めてもう一度見直すべきと言うことを申し述べておきます。

2、請願に対する態度
最後に請願についてです。
◆30請願第1号 危険・老朽化の学校施設の改善と教育予算の増額を求める請願の件
◆30請願第2号 学童保育(留守家庭児童育成クラブ)の待機児童解消を求める請願の件
の2請願は市民の切実な願いでありその思いを受け止め採択すべきです。よって継続審査に反対します。

以上で討論を終わります。