市議団ニュース
2017年12月20日(水)  [市議団ニュース]

東大阪市議会 平成29年 第3回定例会(12月の本会議 質問①)

12/8(金) 日本共産党 塩田 団長の「本会議 個人質問」要旨
◆小中一貫教育と子どもたちの教育課題等の改善 ◆学童保育の委託事業化と運営課題、及び行政の主体的役割 ◆その他の質問(経済動向と東大阪の中小企業支援、障がい福祉計画と各事業の推進、有料公園施設及び特定公園の指定管理者選定に関わって)

1、小中一貫教育と子どもたちの教育課題等の改善
『東大阪市教育施策アクションプラン』で小中一貫教育を、平成31年度から全中学校区で推進する方向を打ち出し、今年4月には『東大阪小中一貫教育Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』が示され、市教育委員会でも小中学校の現場でもその条件づくり等がすすめられていると仄聞します。
市教育委員会は「義務教育を充実させる手段として『東大阪市に小中一貫教育』を導入」し、「義務教育9年間の発達段階に応じた継続的な指導・支援を行う東大阪市教育システム」とすること。しかも平成31年度から全ての中学校区で実施す」としています。
一般論として子どもたちの発達段階や学習課題に応じた学びの充実をすすめることや、義務教育期間の9年間を系統性、一貫性の中で子どもたちをとらえ、子どもたちの成長発達と人格の形成を教育支援していくことは、大事なことです。しかし、その手段が「小中一貫教育」導入による教育システムだと結論付けることについては、問題がある。
今の学校教育において、子どもたちをめぐる状況は複雑多岐にわたっており、もっと時間をかけてこれまでの教育やそのシステムなどの検証や総括を教育現場でも行うべきであり、必要によっては、保護者や子どもたちの意見も聞いて教育システムについて考えるべきである。
本市においても同様ですが、この間も国連子どもの権利委員会から、日本の子どもたちをめぐる状況については「過度な競争主義的な環境におかれており、学校制度や学力に関する仕組みを再検討すること」などが1998年、2004年、2010年と3度も勧告されており、過度な競争教育をどう改善するか。その中における学力向上とその条件づくりや環境づくり、仕組みづくりが問われ、少人数学級の本格的な取組みの具体化も求められている。また、年々増えている「いじめ問題」への対応も、具体のケースに応じてていねいに、適切にすすめていかなければなりません。子どもたちの置かれている状況をふまえ、心のケアなどを含めたカウンセリング体制の強化なども喫緊の課題です。
そのような山積する課題に今教育現場は直面しています が、今回の本市の「小中一貫教育」の議論と条件整備は、平成31年度に一斉にすすめるという結論と時間的な制約がある中で、「小中一貫教育」という教育手段やそれにもとづく条件づくり等が何か優先されてはいないか、子どもたちにとっての教育の中身を充実させていくことが何かおろそかにされてはいないか。
なぜ義務教育を充実させる手段が「小中一貫教育」と いう教育システムなのか。今の教育課程の中で問題点を見直し改善していく方向ではダメなのか。平成31年度から全ての中学校区での実施なのか。
小中一貫教育の教育システムが良いとした検討や、こ れまでの教育の検証は、教育現場でどのように積み重ねられ結論付けられたのか。
小学6年生の「中学校部分登校」「一部教科担任制」「小 学校の定期テストの実施」等について来年度から実施していくための計画立案が現在行われていると思います。「取組みの内容」や「期待できる効果」で述べられていることは、実際にそうできるのか、また効果が出るかは未知数であり、子どもたちにとってその手法が良いのかどうかは、もっと
慎重な検討等が必要だと考えます。またその取組にあたって、現在の教員の仕事量は数段多くなることが避けられないと思われますし、教員体制の強化も必要である。
30年度の取組みを進めていく上で、更なる検討、及 び取り組みの検証。また31年度の実施にあたっての教員体制の強化や教員の仕事量の増加と起こりうる問題への対処はどう受けとめ課題解決していくのか。
今のまま「小中一貫教育」に突き進んでいくと、子ども たちに良い結果や効果が生まれるとは思えませんし、また教育システムの方向性や教育現場の合意の点でも新たな問題と矛盾を生み出しかねません。これまでの教育の検証と小中一貫教育についての検討をもっと慎重に行うべきであることを強く指摘しておきます

【教育次長】
①平成28年4月に改正学校教育法が施行されました。この改正学校教育法が施行されました。この改正は、小中一貫教育を実施することを目的とした改正であり、現行の義務教育の在り方について再考の時期に来ていることを示唆しているものと受け止め、小中一貫教育を推進します。これまでの成果と課題をふまえつつ、現行制度に起因していた実施上の課題が解消されるよう、義務教育9年間に責任を持って教育活動を継続的・安定的に実施できる制度的基盤として小中一貫教育を進めていきます。
また、小学校高学年段階における子どもの発達の早期化の指摘もあることから、これまでの成果と課題をふまえつつ、現行制度に起因していた実施上の課題が解消されるよう、義務教育9年間に責任を待って教育活動を継続的・安定的に実施できる制度的基盤として小中一貫教育を進めていきます。
②この間、全国の自治体や学校現場での取り組みが10数年以上にわたって蓄積され、顕著な成果が文部科学省からも提示されています。本市でも、これまでの取り組みを一層高度化させる等の観点から、31年度からの本格実施に向け、今年度は取り組みの洗い出しと対応を進めています。さらに、2つの小中一貫教育モデル校区における実際の取り組みにかかわる検証とともに、学校現場での議論を積み重ねていきます。
③30年度については、学校現場と取り組みの進捗や課題等の共有をさらに図っていきます。また「31年度の実施にあたっての教員体制の強化や教員の仕事量の増加と起こりうる問題への対処」については、新たな取り組みを始めるにあたり、一時的に教員の仕事量が増加することも考えられることから、学校現場とも密に協議し、起こりうる問題の対処について検討を進めます。

2、学童保育の委託事業化と運営課題、及び行政の主体的役割
来年度から留守家庭児童育成クラブ事業(以下、学童保育)は委託事業として新たな3年間のスタートを切ることになりました。この間、国が示した「放課後児童クラブ運営指針」の内容が大きく反映された形で、「委託仕様書」などが示され、運営事業者の募集と決定へと事務手続きがすすめられています。
委託化によって行政の主導性や責任性、役割がより問われることになったと思いますが、その認識と課題を明らかにして下さい。またそのことから運営事業者にどういう姿勢で臨むのか。
国の運営指針の内容を今回、委託仕様書に盛り込んで おられますが、その中身をチェックする仕組みと体制が十 分示されていません。とくに学童保育の内容と質の確保の
ために、どんな仕組みと体制をつくるのか。
同じ市において、地域的にグループ化して運営事業者を募集するところと単一化して募集するところが混在しており、しかも年度ごとでその枠組みが変わるなど政策上の一貫性に欠けます。一方、運営指針に基づき主体的にすすめようとするところを事実上排除する募集の仕方があるなど、問題点がみられますが、これらの点をどう改善されるのか。

【社会教育部長】
①委託化による行政の指導性や責任性、役割については、委託事業に変更したことで、市の責任において行う事業であるとの認識のもと、委託契約を締結し、受託者がなすべき内容を仕様書に定め、その仕様書に基づき管理します。
②委託内容のチェックと質の確保のための仕組みについ ては、適正な運営がなされているか、留守家庭児童育成クラブへの立ち入りなどを行いながら、仕様書どおりの運営がなされているかチェックをします。また、支援員には総合研修など研修を充実させることで、質の向上を図っていきます。
③平成27年度の民間事業者の募集におきましては、応 募のないクラブが生じないよう、グループ化をして募集を行いました。今回の募集についても、前回の考え方と3年間の運営の経過を踏まえ、募集方法を決定しものです。

3、その他の質問(項目のみ掲載)
◆経済動向と東大阪の中小企業支援
◆障がい福祉計画と各事業の推進について
◆有料公園施設及び特定公園の指定管理者選定に関わって