市議団ニュース
2017年12月11日(月)  [市議団ニュース]

東大阪市議会 平成29年 第3回定例会 関西モダニズム建築20選「旭町庁」問題

1、「価値ある建物をなくさないでほしい」という市民の願い潰す「新旭町庁舎整
備事業に関する事業契約締結の件」が10/25 本会議で可決!
2、10/25「総務委員会」全委員(公明、維新、共産、創生会、草莽の会の市議が
所属)の総意において要望していた「旭町庁舎見学会」予算を、結局、公明党、 維新の会、創生会委員が11/30「総務委員会」で否決し、要望を自ら潰す。その 後、本会議で「旭町庁舎見学会」予算が否決される!

10/25(水)「本会議」で、日本共産党東大阪市会議員団、草莽の会、新社会
党、真実の会の9名の市議が反対するも、賛成28名(公明党、維新の会 等)で、 議案第64号「東大阪市 新旭町庁舎整備事業に関する事業契約締結の件」が可決日本共産党 塩田 副幹事長「本会議での反対討論」の内容は以下
11/30(木)「本会議」で、日本共産党東大阪市会議員団、草莽の会、新社会
党、真実の会の8名の市議が賛成するも、反対28名(公明党、維新の会 等)で、 議案第79号「平成29年一般会計補正予算 (第6回)― 旭町庁舎見学会」の予算 が否決日本共産党 上原 幹事長「本会議での賛成討論」の内容は以下

(1)議案第64号「東大阪市 新旭町庁舎整備事業に関する事業契約締結の件」   ― 10/25(水)日本共産党 塩田 副幹事長の「本会議 討論」
議案第64号 「東大阪市 新旭町庁舎整備事業に関する事業契約締結の件」の採決にあたって、日本共産党東大阪市会議員団を代表して反対の立場から討論を行います。
本市の旭町庁舎の再編整備をめぐっては、計画通り取り壊し、建て替える方向が示され、整備事業者も決定し、今般その議案が事業契約締結の件として提案されています。
全体方向は一年前に議会議決されたことも、また工事を推進するのなら時間に限りがあることも承知していますが、今なお市民からは、「価値ある建物をなくさないでほしい」という願いが強くあり、税金の使い方としての問題も指摘されています。
また、建築の専門家である日本建築学会や建築家協会、またドコモモジャパンからも再生して保存活用すべき との意見も 根強くあります。
とりわけ、世界に名だたる建築物や記録を調査し、保存しようと活動している国際組織「ドコモモ」の日本支部から3月に出された「旭町庁舎の再生計画」は、本市が「取り壊し、建て替える計画」の主な理由とした、「施設の老朽化と耐震上の問題と防災拠点」「庁舎での行政機能と役割を果たす上での狭歪(きょうわい)さの問題」「外形・原型を残したままの耐震工事は不可能とした評価」さらには「将来にわたるランニングコストなどの課題」など、主要な課題や問題をクリアして、しかも行政機能と役割をより果たせる形で、また市民ニーズや地域の環境・風土に合う形で、この旭町庁舎を再生し、将来にわたって活用できる計画となっています。ならば、市民負担を大きくせず、価値ある建物を残し、活用すべきであります。もったいないことをすべきではありません。
私が今さら言うまでもなく、旭町庁舎は、近代建築の巨匠、ル・コルビュジエのもとで学んだ日本の三人の建築家、そのうちの一人、坂倉準三さんの建築研究所が設計を手がけたものです。
ル・コルビュジエの建築精神が随所に息づく近代建築物であります。日本はもちろん世界的にも価値ある建物とされ、保存・再生活用が求められています。
今一度、立ち止まって再考することが、市民にとっても、本市にとっても良い方向であると確信するものであります。
今一度、理事者のみなさんにも、議員のみなさんにも考えて頂きたいのです。今後の旭町庁舎をどう再生するのかを。そしてその時、大切になるのは、
①建物の耐震性と強度、防災拠点としての適性。
②行政サービスの拠点としての機能性、適応性、物理的スペースの確保。
③建物の建築・設計上の価値や歴史・文化的価値度。
④建物が市民ニーズ、地域ニーズを生かしたものになっているか。なっていくの  か。その将来性や展望性。
⑤コスト面からの評価(市民負担やランニングコストなど)。
⑥旭町庁舎を単一の建物のみでとらえるのではなく、市内の公民の価値ある建物と 連動したものとしてとらえ、都市の品格として、また観光やまちづくりも含めた 政策的な効果や展望としての評価をすること。
などの視点であります。
その点からいいますと、国際組織「ドコモモ」の日本支部から3月に出された「旭町庁舎の再生計画」は、それらの視点を含んだものでありますし、今一度、立ち止まって再考する価値は十分あると思うのであります。
しかし、この間 理事者のみなさんが示してきたことは、「総合的判断」という言葉でひとくくりにされ、先ほど私が述べた「施設の老朽化と耐震上の問題と防災拠点」「庁舎での行政機能と役割を果たす上での狭歪(きょうわい)さの問題」「外形・原型を残したままの耐震工事は不可能とした評価」等々でした。しかしそのことは、この間の議会の論戦やドコモモジャパンが示した再生計画等で論理は、すでに破たんしていると言えるものであります。
しかも、理事者のみなさんは、みなさん自身がつくられた景観形成計画で旭町庁舎の保存をいいながら、自らその計画にも反したことをすすめられようとしています。まさに自治体政策矛盾であります。そのことは今議会の総務委員会で改めて明らかになっています。
文化的、歴史的価値の高い建築物を大切に使い、文化都市としての誇りを高らかに内外に宣言するまちのシンボルとして、また市長がめざす観光都市の一翼をも担える建物として 存在感のある旭町庁舎です。多くの市民が保存活用し再生することを求めています。
先ほど、総務委員会の総意として、「内部見学会」の要望が出され、市長もそのことにお応えになられた。
しかし、これは貴重な価値ある建物「旭町庁舎の存在」を認めるがためだと考えるのです。
今、この時点にたって、「これはもう決めたこと。後戻りはできない」として走り出すのではなく、ここは一旦立ちどまって、今一度考えるべきだというのが、わが党の反対する理由です。
ぜひ、みなさんには、少なくない市民の方々や、建築家のみなさんなどの思いを受けとめて頂くとともに、この自治体・東大阪市が歴史と文化を大切にする町であると内外に示すひとつの象徴として旭町庁舎のことを考えていただいてご判断いただくことをお願いして、討論とさせていただきます。

(2)議案第79号「平成29年度東大阪市一般会計補正予算(第6回)― 旭町庁舎見学 会」― 11/30(木)日本共産党 上原 幹事長の「本会議で賛成討論」
議案第79号一般会計補正予算、旭町庁舎見学会に関する賛成の立場から討論を行います。
旭町庁舎が、ル・コルビュジェの影響を受けた文化的価値の高い近代建築物として、市民にも親しまれてきたことは周知の事実です。
この旭町庁舎の解体にあたって、当初から市は合理的な説明もできず、頑なに解体ありきで進められてきたという経過がありました。
この旭町庁舎の解体されるにあたり、市民や建築の専門家などから惜しむ声もあり、この間、総務委員会の総意として市長に見学会を要請し、今回補正予算が提案されてきました。これには大いに評価するものです。
しかし、予算規模が530万円と、多すぎるのではないか?の議論があるなかで、建築学会のボランティアの協力を得ることや募金を集めて、実際の経費を浮かす努力が必要だと提案もありました。そうすれば、予算も実際に大きく減額できるものです。
また対象となる人を市内在住者に限るとしているが、市民を優先するとしても、受け入れ人数の枠内であれば、広く建築家や地元業者であっても、また市内の大学や高校の学術研究に資するためにも、見学者が市内に住んでいなくとも対象として受け入れるべきです。こうした諸点が課題としてあることを指摘した上で、旭町庁舎の見学会を実現させ、旭町庁舎の解体前に、ひと目見ておきたいという市民などの要望に応えるために賛成するものです。