市議団ニュース
2017年06月20日(火)  [市議団ニュース]

東大阪市議会 平成29年 第2回定例会 始まる!

6/14(水)日本共産党 市田綾乃 市議の「本会議 個人質問」の要旨です。

◆ひきこもり等子ども・若者支援について  ◆中学校給食について
◆就学援助金について           ◆教科書選定 問題について

1、ひきこもり等子ども・若者支援について
2016年 内閣府が発表した調査結果によると、15歳~39歳のひきこもりの人が推計54万1千人いるとされ、本市の15歳~39歳ひきこもり者数を、内閣府が出している出現率から試算すると、約2,100人と推定される。
本市では、ひきこもり等子ども・若者支援事業において、
『事業者の自立を促す』等を理由に、委託事業が補助金事業に変更された。実施責任は市にあるといいながら、実態把握や調査も十分に行わず強引に縮小する姿勢は、『子ども・若者育成支援推進法第4条の地方公共団体の責務』や『第2条の基本理念』を踏まえず、市の役割を投げ捨てた姿勢。補助金が委託事業の時の半額にされることによって、現場では事業を縮小せざるを得ない深刻な事態を招いている。4月17日付 読売新聞では、ひきこもり訪問支援の低調、拠点・人員不足が指摘されている。また、ひきこもりに対する支援を必要とする人の多くは、本人の収入がなくおおむね同居している親からその費用をもらわなければならない。その親も年金生活で経済的不安を抱えていることも少なくなく、有料化によって、親子関係が悪化することや、相談やセミナー参加への足が遠のいてしまう危険性がある。ひきこもりの長期化・高齢化による、大人のひきこもりが、重大な社会問題となっていて、早期の対応が長期化を防ぐと言われている。

ひきこもり等子ども・若者支援事業の実施責任について、子ども若者支援推進法の第4条にてらしてお答え下さい。
委託事業を補助金事業に変更し、事業費用を縮小したことで起きている実態を把握しているか。その事実をどう認識しているか。今後の対応はどう考えているのか。
子ども・若者育成支援のための計画の作成やネットワーク協議会設置、実態調査を市が実施する必要があると考えるが、どのような認識か。
そのために、市の中で教育委員会や保健センター、各担当部署などが連携できるよう統括する組織を明らかにする必要がある。
少なくとも来年度に向けて、事業の在り方を委託事業に戻し、金額を1千万円に戻すよう考え直すべき。

【社会教育部長】
①子ども若者育成支援推進法の基本理念にのっとり子ども若者の状況応じ支援を実施している。
②居場所事業など一部有料となったものや相談日の減少があると認識しているが、現在、利用者の減少はないと報告をうけている。今後の対応は、利用状況等を把握しながら検討する。
③④必要に応じて関係部局と連携していきたい。
⑤法の趣旨を踏まえ、本市の子ども若者の状況に応じた施策を実施したい。

2、中学校給食について
20年以上前よりわが党議員団は、中学校の完全給食実現を
求めてきた。2019年度から実施の計画が示された。
残食が多く食育の観点など問題の多い「デリバリー選択制
ランチボックス」の導入は回避されたが、今回導入される、民間調理場から食缶で提供される方式にも、専門性・安全性・食育の観点において様々な問題がある。
東大阪市中学校給食検討委員会の最終報告書の中で、民間調理場活用方式における課題が示されたが、その課題に対する認識や解決について、具体的な策が示されていない。利潤追求が求められる民間業者へ調理委託することは、安心安全・豊かな食育が確保できるのか。全国で、学校給食の民間委託で様々な問題が起きている。

東大阪市中学校給食検討委員会最終報告に示されている、民間調理場活用方式における課題はどのようなもので、どのように認識し解決するのか。
学校給食の特性についてどのような認識をもち、その特性をどのように確保するのか
実施に向けた調査の進捗やそのスケジュール、調査でわかったことは何か。
④民間調理場活用による給食提供において、全国ではどのような事故や問題が起き、どのような課題があるのか。その解決についての策はあるのか。

【教育総務部長】
①課題については「学校給食衛生管理基準」に基づく「本市の基準」を定めることにより、民間調理場を活用できる。
②学校給食法には「児童及び生徒の心身の健全な発達に資するもの」「学校における食育の推進を図ることを目的とする」との教育的役割が明記され、中学校給食も、中学生に必要な栄養量の摂取基準が達成できるよう、献立作成等は教育員会が直接行うなど、より食育が推進されるよう、その具体化の検討を進める。
③昨年度の民間調理施設の視察や、この間のヒアリング調査において、中学校給食を提供できる調理施設を有する、或いは、その可能性を持った事業者は一定数以上ある。引き続き調査し、本市が定める基準に適合した、より多くの事業者が確保できるよう努める。
④公民を問わず、異物混入や食中毒などの事故や、民間事業者においては、倒産等の課題がある。食中毒等の事故は、給食開始以来、大きな事故を発生させることなく安全に給食を提供してきた経験と知識をもとに、民間調理場も、調理の衛生管理基準、衛生管理体制、衛生検査など厳格な基準を定めて対応する。業者選定を行う際は、倒産等のリスクに対し、財務諸表などの詳細なチェックを行う。

3、就学援助金について
わが党はこれまで、繰り返し就学援助の充実を求めてきた。文部科学省が3月31日に、生活保護世帯の小中学生への「入学準備金」を増額し、支給は小学校入学前も可能だとする通知を都道府県教育委員会に出した。通知によると、入学準備金の単価は、小学生1人4万600円、中学生4万7,400円となる。また、これまで「児童又は生徒」としてきた入学準備金の交付対象に「就学予定者」を追加。中学校への入学前のみならず、小学校入学前の時期に支給できることになった。
本市では、就学援助の世帯も入学準備金の増額が2017年
度入学の生徒より実現することになった。しかし、支給時期は、これまで通り7月のまま。本市では標準服が必要な小学校で、標準服・体操服・給食袋・通学帽の購入に2万3千円を超える費用が必要となり、ランドセルや上履き等の購入が必要。中学校入学は、制服・体操服・通学カバン・体育館シューズの購入に5~6万円ほど必要。4月の入学時にそろえて置かなければならないので、入学前に支給されないと困る家庭は少なくない。入学前支給を来年度入学者から実施すべき。

私はこれまで、繰り返し、入学準備金の前倒し支給を要求してきた。2019年度入学者からの実施け検討していると言われているが、早急に課題を整理し来年度より入学前の支給を行うよう、遅くとも9月議会までに実施計画を明らかにすること。
認定基準を引き上げることや、2010年度から新たに就学支給対象項目に加わった「クラブ活動費」「生徒会費」「PTA会費」の支給、林間学校の宿泊費や社会見学への支給を行うべき。
国立や私学の小中学校に通う児童生徒の保護者に対する援助が行われないのはなぜか。支給すべき。

【学校教育部長】
①課題整理を早急に行い、素案をお示しできるよう努める。
②財源の問題もあり国の負担を求める等の対応を検討する。認定基準の引き上げは、生活保護基準や税制の改正など、社会状況の変化等を踏まえながら検討する。
③東大阪市児童生徒就学援助条例において本市の区域内に住所を有し、かつ、本市市立小学校又は中学校に在学する者に限られているが、その対象の拡大については現状では困難。

4、教科書選定 問題について
2018年度から教科化される道徳の教科書選定委員会が設 置され、教科書展示会が開始。道徳の教科化は反対の立場だが、子どもの心のありようを点数化するという特殊な教科の教科書で、慎重に選定されるべき。本市では、2016年度から使用する学校教科書を決める経過で、当時の教育委員長が教科書会社と接触し、教科書採択に影響を及ぼしたのではないか等の疑惑が浮上し、その解明がされていない。そうした中、道徳の教科書が選定されることに危機感を抱く市民の声が届いている。
大阪府の教育委員綱紀保持指針の第2章1には教科書業を
行っている者等を利害関係者とみなし、その利害関係者と共に飲食することを行ってはならないとしている。この指針を遵守すべきは、教育庁並びに教育委員会事務局及び教育機関に勤務するすべての職員であり、教育委員会は教育委員長も遵守すべき対象であるとしている。しかし、当時の教育委員長が、教科書会社の育鵬社と布施の喫茶店で会っていたことが明らかになっても、教育委員会は綱紀保持指針に違反しているかどうかの明言を避けている。一度は本人に詳細を確認されたとのことだが、結果は「本人の記憶がない」と言うことで終わり、何も明らかになっていない。

当時の教育委員長が、教科書会社と接触した経緯や目的、日時や場所、話の内容などについて十分な調査を行い明らかにすることが、なぜ、行われないのか。
一般的に「記憶がない」と答えれば、それ以上の追及はしなくて良いのか。コンプライアンスは守られるのか。
大阪市では、教科書会社が検定中の教科書を教員らに見せて意見を聞き、謝礼を渡していた問題を受け、教科書検定・採択の期間中は一切の接触を禁止し、期間外でも市教委の事前承認制とする再発防止策を決めている。本市も不正や疑惑を生まないための仕組みを確立すべき。

【教育長】
①②③文部科学省からの通知等に則し、採択を行っている。先の中学校教科書採択についても、採択権者である教育委員の権限と責任において、合議のうえ、適正かつ公正に採択されたもの。