市議団ニュース
2016年12月16日(金)  [市議団ニュース]

12月5日 平成28年 第4回定例会
日本共産党 上原幹事長の 「本会議 代表質問」

12月5日(月) 日本共産党東大阪市会議員団 上原幹事長がおこなった「本会議 代表質問」の概要です。

1、市財政が「極めて厳しい状況」としながら、大型公共工事には、巨額の市民の税金をつぎ込む
市は、財政が「極めて厳しい状況となる」と試算し、六万寺、金岡保育所の廃園、母子寮は廃止、市立日新高校の定時制廃止など市民の暮らし、社会保障は切り捨てる一方で、ラグビーワールドカップ開催を名目に、ラグビー場整備に巨額の費用をつぎ込むことは躊躇も無く突き進んでいる。土地購入で45億円、ラグビー場改修工事の債務負担行為は73億6千万円余り、それに毎年の施設管理運営の経費だけで年1億1千万円余りの大金をつぎ込んでいる。今後、さらにラグビーワールドカップ開催のために仮設の施設等を予定とのことだが、これらの費用は総額で最大いくらかかるのか。
こうした極めて厳しい財政の見通しの中、あくまでもラグビー場整備やモノレール南伸はじめとする大型公共工事に巨額の税金をつぎ込む姿勢は変えず聖域化することはやめて、見直すべき。

【市長】今後、組織委員会から示される設置基準に沿って、仮設費用の算出手続きに入ります。
【川口副市長】人々を呼び込み、地域経済を活性化し、市民サービスを維持、向上させる未来への投資として、必要不可欠なものと確信している。

2、住宅セーフティーネットの構築を
近年、貧困と格差が社会問題となり、こうした状況を背景に、公営住宅を求める市民は多くおられます。東大阪市内の公営住宅における平成27年度の公募の応募倍率を見ると市営高井田住宅 2DKで最高36倍、同じく高井田住宅 3DKで31倍。府営住宅の応募倍率は、
高いところで東大阪新上小阪住宅78.2倍、東大阪中鴻池住宅 55.6倍です。
私は、福祉世帯とされる高齢者、ひとり親、障がい者、ハンセン病、犯罪被害者などの大半を占める人たちを集計するに当たり、当局から必要な資料をいただき集計しました。また、府営・市営住宅がいくつあるのかも資料としていただき集計しました。これでみると、公営住宅を必要とされる方が、多くおられるだろうと思われる福祉世帯に匹敵する人数にして、公営住宅がどの程度あるかその率を算出すると、最も高い中鴻池リージョン地域 14.41%、次いで若江岩田駅前リージョン地域 6.08%、楠根リージョン地域 5.72%、近江堂リージョン地域 5.67%、日下リージョン地域 0.35%、布施駅前リージョン地域が 0.34%、四条リージョン地域 0%。異常な公営住宅の配置状況です。せめて四条地域には一軒も公営住宅が無い状況や、日下や布施駅前地域にも皆無である状況を改善する必要がある。
現在、市営北蛇草 303戸の空き家、荒本住宅 339戸とすでに空き家が多く存在しているが、市はこの地域に空き家分も含めて、老朽化した住宅の建て替えをしようと計画をしている。現在、お住まいの方の戸数は必要ですが、この空き家の大半を市内各地、とりわけ公営住宅のほとんどない地域に再配置する計画を立てる必要があるのではないか。

【建築部長】ご指摘の全市的住宅セーフティーネットの構築は、現在の計画状況を踏まえ今後、関係部局とともに検討します。

3、マイナンバーに関わる問題点
毎年5月になると、市は事業所で働く人が納める住民税の額などを記した市民税特別徴収の「税額通知書」を事業所に送っている。総務省が地方税法施行規則で税額通知書の様式を変えたため、新しい通知書には従業員の名前や住所に加え、新たにマイナンバーを記入する欄が設けられるとのことです。
マイナンバー制度では、従業員は、事業所からマイナンバーの提出を求められても拒否もできる。しかし、従業員の意思により事業所に伝えなかったマイナンバーが、市によって勝手に事業所に通知することは大問題です。個人情報の保護に関する法律第18条は、個人情報について「その利用目的を、本人に通知し、又は公表しなければならない」とされ、マイナンバー法実施のもとでも、十二分に守らなければならない。この通知書にマイナンバーを記載し、事業所に送る行為は、本人の意思確認の手続きも経ずに、勤務先の事業所にマイナンバーを知らせ、本人が自分のマイナンバーが勤務先事業所に渡ったかどうかを知ることすらできない。プライバシー権の侵害だと思いますが、本市は、総務省の方針通りに、市民税特別徴収の「税額通知書」にマイナンバーを記載し送付するつもりなのか。マイナンバーを記載せず「税額通知書」を送付するよう求める。

【税務部長】個人番号を記載し発送する予定です。なお、特別徴収義務者は、当該通知書により提供を受けた従業員の個人番号については、地方税に関する事務以外の事務に利用することはできない。

4、子ども安全パトロール事業における最低賃金以下の雇用是正への対応
私は、昨年の第2回定例会文教委員会で、子ども安全パトロール事業で株式会社DAIMONが、当時の最低賃金時給838円を下回る800円で雇用していた問題で、教育委員会にお尋ねしました。その労働者からも給与明細を見せていただき、コピーも当時、教育委員会に事前に示して調査を求めました。しかし、その当時の調査は、実際に支払われている給与明細ではどうなっているのか。について調査したものではなく、雇用契約上の書類を確認したに過ぎず、実際に労働者に支払った給与明細の写しや帳簿を確認するなど客観証拠の確認はせしていないにもかかわらず、業者の言い分を鵜呑みにしたもの。当時はなぜ、賃金台帳や給与明細の写しなどの証拠書類を確認しなかったのか。もし証拠書類の確認をする法的根拠がなかったのなら、その根拠も具体的に示してください。
当該事業者では、私が指摘した当時に、最低賃金をはるかに下回る時給800円で雇用していた労働者は、誰ひとりとして存在していなかったとの認識か。
少なくとも来年度の契約において、事業者が雇用する労働者への給与支払いがどうだったか把握するため、契約書や仕様書などで賃金台帳と給与明細等の写しの証拠書類を提出させることは、今後、同じ事を起こさないためにも必要ではないか。

【学校教育部長】●当時、どの時期にどの地区のどの方のことか特定できていなかった。委託契約を結んでいた業者を呼び、雇用証明書で確認した。●それ以前も最低賃金以下での雇用はないと確認している。個々の賃金支払いは、労働基準監督署が申し立てを受けて判断し、必要に応じて是正勧告するものと認識している。●契約書で仕様の内容を履行するよう求めるとともに関係部局とも検討の上、なお一層の改善にむけて協議していきます。

5、公契約条例制定の必要性について
国や地方自治体が行政目的を行うために民間企業や団体と締結する契約を「公契約」と言います。その契約で結ばれた公共サービスの質が確保されなければなりません。日本弁護士連合会の調査では、最初に制定された千葉県野田市では、最低賃金ぎりぎりであった業務委託の賃金が時給で100円程度アップ、川崎市でも事務の臨時職員の賃金が30円程度引き上がるなど、効果が確認されています。 適正な競争で良質なサービスを実現しつつ労働条件を改善することは、地域経済を守っていくことにもつながります。「公共サービス基本法」でも「公共サービスの実施に従事する者の適正な労働条件の確保その他の労働環境の整備に関し必要な施策を講ずるよう務めるものとする」とされていますが、地方公共団体がその責任を果たす必要がある。
市としても外部の専門家を入れた公契約条例制定への検討会を立ち上げるなど、公契約条例制定へ踏み出すべき。

【財務部長】労働関係法令並びに社会保険に関する法令の遵守状況を確認する仕組みを、現在、専門家とも相談しながら、検討しているところです。

6、その他の質問
●旧同和対策事業での特別扱いが残っている問題―北蛇草・荒本市営住宅での市営住宅入居方法の問題と本来の住宅とは別の「仮設住宅」の問題。長瀬、荒本の青少年センターにおける中学友の会、高校友の会に関わる事業の問題。●小中一貫教育の教育的効果があるのかについての問題。●野田市長の教育再生首長会議に関する問題と教科書採択に関わっての問題。