議事録
2008年03月25日(火)  [議事録]

議長の許可をいただきましたので、 私は日本共産党東大阪市会議員団を代表して今議会に提案されております議案第3号東大阪市後期高齢者医療に関する条例制定の件、 議案第8号東大阪市特別会計条例の一部を改正する条例制定の件、 議案第12号東大阪市国民健康保険条例の一部を改正する条例制定の件、 議案第21号平成20年度東大阪市一般会計予算、 議案第22号平成20年度東大阪市国民健康保険事業特別会計予算、 議案第32号平成20年度東大阪市後期高齢者医療特別会計予算、 議案第33号平成20年度東大阪市水道事業会計予算、 議案第34号平成20年度東大阪市下水道事業会計予算の8原案に反対し、 ただいま提案させていただきました我が党の修正案について賛成する立場から討論を行います。

「くらし守って欲しい」 の願い切り捨てる野田予算

まず提案されている予算原案は、 例えば国保料の最高限度額を一気に6万円も値上げするという提案をはじめ、 上下水道料金の福祉減免の減額や就学援助予算の削減、 また保育所整備予算の削減など、 「暮らしを守ってほしい」 という市民の願いに背を向ける冷たい市政だということがハッキリ示されました。  また同時にこの間、 長尾前市長が市民の願いに応えてすすめてきた 「旧同和行政の終結」 の流れを逆行させ、 特別扱いの行政を継続・復活させる市政であることが明らかになりました。
我が党は、 こうしたムダ使いをやめ、 市民のくらしを守るという地方自治体の役割を発揮する立場から今回、 修正案を提案しました。 貧困と格差が広がる中で、 ぜひ修正を行うよう訴えます。

国保料限度額6万円の一気引き上げは認められない

まず第一に、 今議会の一つの焦点となっている国民健康保険や後期高齢医療制度にかかわってであります。
今、 市民の暮らしはこの間続けられている 「構造改革路線」 のもとで、 医療、 年金、 介護などの社会保障の負担増をはじめ、 住民税の増税や定率減税の廃止による税金の負担増、 またさらにこのところの原油高騰でより一層大変になってきています。 ところが、 野田市長は国保料の最高限度額を一挙に6万円の値上げを行っているのであります。 「国保料が他市と比べても高くてなんとかしてほしい」 という市民の悲鳴にも似た声を聞こうともしない冷たい姿が象徴的に表れていると言えるのであります。 断じて認めるわけにはいきません。

市の努力で引き上げの撤回を

我が党は、市民の願いに応えるため国保料の最高限度額の引き上げについては行わない。 また同時に中低所得層の負担増にならないために、 2つの対策を行う修正案を提案しています。 1つは全庁あげての国保の収納対策に取り組み、 収納率を向上させ、 財源を確保することです。 もう一つは一般会計からの繰入を行い保険料を引き下げることであります。 ぜひとも成立させていただくよう訴えるものです。
さらに明日から始まる後期高齢者医療制度については、 委員会審議の中で、 「今までの医療制度とまったく変わらない」 かのような質問や答弁などがありましたが、 実際には75歳以上の高齢者は 「心身の特性がある」 などとして明確に診療報酬も別建てにし、 「後期高齢診療料」 などいわゆる定額制のしくみとなり、 診療報酬も例えば生活習慣病では74歳以下より低く設定されており、 実質的に医療が制限される内容が盛り込まれているものです。 明らかに医療を年齢で区分する差別的な医療制度と言わざるを得ないものであり、 我が党は中止・撤回を求めるものであります。

後期高齢者医療制度での軽減の支援制度を

後期高齢者医療制度が国保とは違い、 個人、 個人の保険加入となる一方で、 軽減の判定は世帯で判定されるなどの矛盾を抱えていることから、 我が党は保険料の軽減・支援のために、 厚生年金の一般的な収入208万円にあたる、 賦課所得55万円までの保険料の所得割を二分の一に軽減するための支援を行うよう求めるものであります。

くらしを守る施策の拡充を

第二に、 市民の暮らしを守るための福祉や医療施策を拡充していくという点についてであります。
予算原案では、 「ダイヤモンド婚・金婚夫婦のつどい」 事業から 「ダイヤモンド婚」 を廃止する提案や 「敬老祝品贈呈事業」 から99歳の方への祝品を廃止するという提案がされています。 しかし日本の社会は77歳なら喜寿、 88歳で米寿、 90歳で卒寿、 99歳で白寿と高齢者を心から祝う社会であったはずであります。 わずか50万円余りの祝品を削ったり、 ダイヤモンド婚を廃止するなどということは、 やめるべきであり、 長生きを喜び合える事業として復活させるべきであります。

看護体制を改善し、 医療体制の充実を

また市民の命と暮らしを守るという点でも野田市長の態度は問題であります。 昨年12月の第4回定例会で病院当局が 「市立総合病院の医師不足、 看護師不足」 の打開策のため、 看護師の 「7:1」 看護の体制について今年7月に実施すると表明していたのを、 野田市長が頓挫させ来年6月実施と先延ばしにする態度を表明したのであります。 医療の問題ではその他にも 「東診療所のレントゲン機器の更新」 について原局が予算編成時に強く要望したにもかかわらず先送りとしたことが委員会審議で明らかにされ、 ここでも市民の健康保持に背を向ける野田市政の実態が鮮明に現れているのであります。 我が党は、 市民の命と健康を守るという地方自治体としての根幹にかかる役割を果たすという観点から、 東診療所のレントゲン機器更新に関する予算を提案するものであります。

乳幼児医療費無料化の市長公約を守れ

次に乳幼児医療費助成制度の無料化についてであります。 市長は無料化を明確に公約しています。 ところが、 「・・現時点での実施は難しい・・。 今後大阪府の乳幼児医療費助成制度の拡充方針に注視してまいりたい・・」 と無責任な答弁を今議会で行っておりますが、 このことは先の定例会の答弁より後退した内容であることを厳しく指摘するものであります。 今後は早急に無料化の公約実現とこの制度のさらなる拡充を求めるものであります。

保育・教育施策の充実を

第三に、 子どもの保育・子育て支援、 教育施策の充実をはかるという点についてであります。
予算原案は、 保育所のトイレ改修などの整備予算を1000万円削減した他、 今年もまた保育所に入所申請したのに1031名の不承諾数となり、 昨年比でみても多くの待機児童が出ることが明らかになっています。 しかし市として打ち出している待機児童解消の方針は90名定員の保育所2カ所を増設するというだけで、 いつ増設されるのかも、 その他の解消策も示さない態度をとり続けました。 また東部地域の子育て支援センターでありますが、 委員会審議の中で、 当初の原局の 「3階建て900㎡」 の構想に対して、 財政当局は 「2階建て600㎡」 へと大きく縮小していこうとしていることも明らかになりました。
また貧困と格差が広がる現状の中で就学援助を求める市民の願いはますます強くなっておりますが、 予算原案では就学援助予算の削減が提案されており、 問題であります。
我が党は、 子どもたちのおかれている現状に目を向け、 保育所整備予算と就学援助予算の増額を行い、 今後保育所の待機児童解消策の具体化をはじめ、 教育施策の拡充を求めるものであります。

上下水道庁舎建設はキッパリ中止を

第四に、 市民の強い願いである 「ムダ使いをやめる」 という点についてであります。
すでに長尾前市長のおりに市民からも多くの意見がよせられ建設中止の決着のついた 「上下水道局庁舎」 について、 野田市長はなお固執する答弁を繰り返しております。 「ムダ使いをやめてほしい」 という市民の声に真摯に向き合い、 キッパリと 「建設しない」 立場をはっきりさせるべきであります。

20数億円から47億円へ急増の集合工場

また集合工場建設に向けてはこれまでも用地の選定や基本コンセプトについて検討をすすめてきたところですが、 今回、 市長が提案している 「5階建て2棟式」 の計画は、 当初想定していた20数億円規模の事業から47億円に膨れ上がっています。 いま改めて、 基本コンセプトをどこに置くのかを再検討する必要があります。 その立場から大幅に予算を減額し、 そのあり方を再検討することを求めるものであります。

旧同和関連予算の削減を

第5に、 旧同和関連予算についてであります。 本会議や委員会の審議で一層浮き彫りになったように、 国の特別事業が終了したもとでも長瀬や荒本の 「青少年センターや運動広場などをはじめとする施設」 などの過剰な職員配置や各事業の予算配分が見られます。
「特別扱いの旧同和事業の終結」 への市民の強い願いをふまえ、 終結の流れを逆行させることなく、 公正・公平の観点からこのような特別事業扱いをやめるべきであります。 我が党提案は、 旧同和関連予算について特別扱いはしない立場でゼロベースから見直し、 合計4億6, 510万2千円を削減し、 過剰な職員配置やアルバイト雇用をやめ、 施設の警備委託料の他、 子ども会活動経費や中学友の会、 高校友の会、 荒本斎場などについても公正・公平や費用対効果の観点から抜本的に見直す修正提案をしています。

コミュニティバスの運行や温暖化防止対策を

第6に、 コミュニティバスの実現などまちづくりや環境対策についてであります。
コミュニティバスの実現については、 庁内検討委員会の立ち上げが今年度において行われると表明されておりますが、 わが党はそれをさらに前進させるとともに、 市民ニーズの把握や交通網などの実態把握調査やシンポジウムなどを通じて具現化することを主張するものであります。 我が党はそのための具体策として、 交通空白地域などでの実態調査、 ニーズ調査を行うための経費やシンポジウムやセミナーの開催のための経費を提出していますが、 ぜひ実現するよう訴えます。
次に地球温暖化防止対策であります。 理事者は、 温室効果ガスの削減やグリーン電力の購入、 また太陽光発電の利用促進や温暖化防止対策等の条例制定などを我が党議員が求めたのに対し、 国が法律で決めたらやるとの態度に終始しました。 我が党は市長がこうした態度を改めるよう求めるものであります。 そして今、 重要課題となっている温暖化防止対策を抜本的に強化するため、 「豊かな環境創造基金」 を大幅に増額する修正案を提出しておりますが、 ぜひとも成立を訴えるものであります。

修正案提出者には協力するな、 の指示は独裁者の発想

最後に我が党の修正案提案にあたり、 先の議会運営委員会でも議論があったように、 議員が議案提案権を行使して修正案を提出しようとするとき、 その中身がいいのか悪いのかではなく、 法・条例の文案としてそごが生じているのかどうか、 専門的な人材のいる法務文書課に照会したわけであります。 市長は自分が提案した議案を修正するものであることから 「それには対応するな」 という市長の行為は、 自分の考えに反対するものは排除するという独裁者ともいえる態度であると言わざるをえません。 また議員の議案提案権を侵害する重大な行為であり、 議員活動や議会と行政当局のあり方の根幹にかかわる問題として看過できないものであります。 我が党はこの問題を厳しく指摘し、 こうした態度は即刻改めるよう強く求めるものであります。

野田市政の問題点ただす日本共産党の修正案

以上、 野田市長の初の本格的な予算編成と、 今定例会を通じて 「ムダ使いと旧同和行政の復活」 「暮らしの切りすて」 という野田市政の実態が明らかになりました。 この問題をただすため、 我が党は市民の暮らしを守ること、 税金の使い方でムダを削る、 公正・公平の観点から旧同和行政を終結させるという3つの方向から修正提案を行ったものであります。 ぜひご賛同いただきますようお願いいたしまして、 原案反対、 我が党の修正案に賛成の討論を終わります。 ご静聴ありがとうございました。